CASE

事例紹介

エイジフレンドリー補助金の対象設備判定

顧客像
製造業(約70名)
担当
ワトナル社会保険労務士事務所
テーマ
助成金・奨励金

課題

高年齢労働者の安全対策として導入したい設備が、補助の対象になるか判断できなかった。

支援の内容

設備ごとに対象となるかを分析し、対象外となる場合の代替案も示したうえで申請を支援。

成果・ポイント

対象となる設備構成と代替案を提示。

背景にある制度・ルール

エイジフレンドリー補助金は、高年齢労働者の労働災害を防止するための設備改善や、専門家による指導などにかかる経費の一部を補助する厚生労働省の制度です。令和8年度の対象は、1年以上事業を実施しており、役員を除いて自社の労災保険が適用される60歳以上の高年齢労働者が常時1名以上就労している中小企業事業者です(製造業などの「その他の業種」は、常時使用する労働者300人以下または資本金等3億円以下)。

令和8年度は、次のコースが設けられています。

  • 専門家総合対策コース:第1段階で労働安全衛生の専門家によるリスクアセスメント(補助率4/5)、第2段階でその結果を踏まえた設備・装置の導入等の労働災害防止対策(補助率1/2)や、転倒防止・腰痛予防のための運動指導等(補助率1/2)。上限額は第1段階との合計で100万円(消費税を除く)
  • 熱中症対策コース:補助率1/2、上限額100万円(消費税を除く)
  • コラボヘルスコース:補助率3/4、上限額30万円(消費税を除く)

専門家総合対策コースの第2段階は、リスクアセスメントの結果を踏まえた対策であることが前提です。リーフレットでは、作業場所の段差解消、防滑性の高い床材、階段への手すりの設置、高所作業台(自走式は含まず、床面から2m未満のもの)、重量物搬送機器・リフト(乗用タイプは含まず)、アシストスーツなどが対象例として示されています。対象の高年齢労働者が補助対象に係る業務に就いていることが条件で、個人が着用する機器や装備は、対策に関わる高年齢労働者の人数分に限り補助されます。

また、交付決定日より前に発注などで取組を開始した場合や、取組がすべて完了する前に代金を支払った場合(いわゆる前払い)は、補助金が支払われません。申請内容は審査され、全ての申請者に補助金が交付されるものではないとされています。令和8年度の交付申請の受付期間は、令和8年5月20日から11月20日まで(延長後)ですが、予算額に達した場合は期間の途中でも受付を終了することがあります。

支援のポイント

本件は、約70名の製造業で、高年齢労働者の安全対策として導入したい設備が補助の対象になるかを判断できなかったケースです。

まず、設備ごとに対象となるかを分析しました。この補助金は、設備の種類だけでなく、リスクアセスメントの結果との結び付き、対象となる高年齢労働者がその業務に就いているかどうか、補助される数量の範囲など、複数の条件で判断されます。「安全のための設備だから対象になるはず」と一括りにせず、一つずつ条件に当てはめることで、申請後に対象外と判断される事態を避けることを目指しました。

次に、対象外となる場合の代替案も示しました。リーフレットでも、自走式の高所作業台や乗用タイプのリフトは対象に含まれないとされているように、同じ目的の設備でも仕様によって扱いが分かれることがあります。転倒防止や重量物の負担軽減といった目的は変えずに、対象となり得る設備構成を検討できるようにしたことで、補助の活用と安全対策の実現を両立させる選択肢を広げました。

そのうえで申請を支援し、対象となる設備構成と代替案を提示しました。

同じような課題をお持ちの方へ

  • 設備を選ぶ前に、高年齢労働者の作業について、転倒・墜落、重量物の取扱い、暑さなどのリスクを洗い出しましょう(リスクアセスメント)。
  • 導入したい設備が、どの作業の、どのリスクを、誰のために減らすのかを説明できるように整理しましょう。
  • カタログの型番や仕様(自走式か、乗用か、高さなど)を確認し、対象例と照らし合わせましょう。
  • 交付決定前の発注や前払いは補助の対象外です。業者には、交付決定後に発注する前提で日程を伝えましょう。
  • 補助金の有無にかかわらず、厚生労働省の「高年齢者の労働災害防止のための指針」(令和8年4月1日から適用)を参考に、安全衛生管理体制の確立や体力の状況の把握、安全衛生教育にも取り組みましょう。

参考資料

※守秘義務に配慮し、ご承諾をいただいたうえで、業種・地域・規模などを匿名化して掲載しています。