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株式会社設立の流れと、登記で気をつけたいポイント

株式会社を設立するには、定款の作成から法務局への登記申請まで、いくつかの手続きを順番に進める必要があります。会社法第49条では、株式会社は本店の所在地において設立の登記をすることによって成立すると定められており、登記の申請が設立の最後の手続きになります。この記事では、発起人が設立時に発行する株式の全部を引き受ける「発起設立」を前提に、基本的な流れと気をつけたいポイントを解説します。

設立までの基本的な流れ

  1. 商号・事業目的・本店所在地・資本金などの基本事項を決める
  2. 定款を作成する
  3. 公証人による定款の認証を受ける
  4. 資本金を払い込む
  5. 法務局へ設立登記を申請する

1. 基本事項を決める

まず、会社の骨格となる事項を決めます。主な検討事項は次のとおりです。

  • 商号(会社名)と事業目的
  • 本店所在地
  • 資本金の額と、発起人(出資者)
  • 機関設計(取締役会や監査役を置くかどうか)と役員
  • 事業年度(決算期)
  • 役員の任期

株式の譲渡制限がある会社では、定款で取締役・監査役の任期を最長10年まで伸ばすことができます(会社法第332条第2項、第336条第2項)。ただし、任期を長くすると次の登記までの間隔が空き、重任登記を忘れやすくなる点にも注意が必要です。

資本金の額をどう決めるか

資本金の額は、事業を始めるときの運転資金の目安になるだけでなく、取引先や金融機関が会社の規模を判断する材料の一つにもなります。また、この記事で紹介するとおり、定款認証の手数料や設立登記の登録免許税も資本金の額によって変わります。許認可が必要な事業では、財産的な基礎に関する要件が設けられている場合もあるため、事業計画とあわせて検討しましょう。

2. 定款を作成する

定款は、発起人が作成し、その全員が署名または記名押印します。定款は電磁的記録(電子定款)で作成することもできます(会社法第26条)。定款には、目的、商号、本店の所在地、設立に際して出資される財産の価額またはその最低額、発起人の氏名または名称および住所を必ず記載します(会社法第27条)。

本店の所在地は、定款では「東京都豊島区」のように最小行政区画まで記載する方法もあります。こうしておくと、将来同じ区画内で本店を移転するときに定款変更が不要になります。

3. 定款の認証を受ける

株式会社の定款は、公証人の認証を受けなければ効力を生じません(会社法第30条第1項)。認証の手数料は公証人手数料令第35条で定められており、資本金の額等が100万円未満の場合は3万円、100万円以上300万円未満の場合は4万円、それ以外の場合は5万円です。資本金の額等が100万円未満で、発起人全員が自然人で3人以下であること、発起人が設立時発行株式の全部を引き受けること、取締役会を置かないことのすべてに当てはまる場合は、1万5千円とされています。

また、紙の定款には4万円の収入印紙が必要ですが、電子定款の場合は不要です。

4. 資本金を払い込む

発起人は、引き受けた株式について、遅滞なく出資に係る金銭の全額を払い込まなければなりません(会社法第34条第1項)。払込みは、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所で行います(同条第2項)。払込みがあったことを証する書面は、設立登記の申請書に添付する書面の一つです(商業登記法第47条第2項第5号)。

5. 設立登記を申請する

設立登記の登録免許税は、資本金の額の1000分の7で、これが15万円に満たないときは15万円です。登記を申請した日が原則として会社の設立日になるため、設立日に希望がある場合は、そこから逆算して準備を進めましょう。登記が完了したら登記事項証明書を取得し、法人名義の口座開設や各種の届出に進みます。

なお、商号の登記は、他人がすでに登記した商号と同一で、かつ本店の所在場所も同一である場合にはすることができません(商業登記法第27条)。同じ所在場所に同じ商号の会社がないか、事前に確認しておくと安心です。

気をつけたいポイント

  • 事業目的の書き方:許認可が必要な事業では、定款や登記の目的の記載を確認されることがあります。将来行う予定の事業も含め、事前に確認しておきましょう
  • 役員の任期と事業年度:任期の長さと決算期の組み合わせで、次の役員変更登記の時期が決まります。設立時に、次回の登記の時期まで見通しておくと安心です
  • 決算期の決め方:設立日から最初の決算日までの期間や、繁忙期と決算の業務が重ならないかなどを考えて決めます
  • 設立後の手続き:設立後は、税務署などへの届出や、社会保険・労働保険の手続きが必要になります

ワトナル司法書士事務所では、定款作成のご相談から設立登記の申請まで、株式会社の設立をお手伝いしています。設立後の役員変更や本店移転など、会社の登記も継続してサポートいたします。社会保険・労働保険の手続きは、グループのワトナル社会保険労務士事務所と連携して対応します。

参考資料